パワーメーターを本格的に活用するために「仕事率(W)」と心拍数などの指標との相関関係を正確に把握するために必須の「漸増負荷テスト」を一挙に解説
【 60秒ごとにペダルが重くなる 】
漸増負荷テストとは、60秒ごとに一定の割合でペダルが重くなるステップ負荷で行う運動能力テストです。今回は、運動負荷(W)と心拍数(bpm)の関係を調べます。 ペダル回転数(rpm)は一定であるため運動負荷(W)が大きくなるとペダルが重くなります。これに比例して心拍数(bpm)も高くなっていきます。 一般的な漸増負荷テストは、60秒ごとのステージが10回ほどで測定されます。
【 直線的な比例関係を示す 】
運動負荷と心拍数の関係は、下図グラフのように直線的な比例関係を示します。 薄い青色の円のエリア内に9つの測定点が分散していますが点線によって直線近似することが出来ます。 別の集団のオレンジ色の楕円の中にも2つの測定点が存在します。 青色の測定点とは、明らかに異なる関係性を持ちます。 これら2つの集団の近似直線が交差する点が有酸素運動と無酸素運動の境界を示す変曲点です。この変曲点より低い運動負荷(w)であれば、長時間運動を続けることが出来ます。
【 インターバルトレーニングへの応用 】
先の漸増負荷テストを分析して得た変曲点の数値をインターバルトレーニングを実施する際の目安として活用できます。 多くの場合、インターバルトレーニングは①のように1本目でシャカリキに頑張りすぎて必要以上の乳酸が発生してしまい 2本目、3本目と運動負荷を下げてしまいます。 この原因は、赤色の点線の位置が不明であるためインターバルのオンタイムで設定すべき運動強度(W)が解らず闇雲に走るためレペティションのような運動強度のインターバルトレーニングになっているのです。 これでは、有酸素運動領域の限界を拡大する効果は得られません。
そこで②では、漸増負荷テストで得た変曲点の仕事率(W)をインターバルトレーニングの過負荷の臨界点(赤い実線)の目安として活用するのです。 変曲点より5%上で180秒オンタイム、変曲点より20%下で60秒のオフタイムといった具合です。 過度の乳酸が発生しないため無理なく目的とする運動負荷をかけることが出来ます。
【 実際の漸増負荷試験の様子 】
次の動画は、滋賀県大津市のプロショップ「自転車処どてるし」にて女子選手の漸増負荷試験を実施している様子です。 このときはモーションキャプチャーも同時に測定しています。 前述の運動負荷と心拍数の相関関係の他、モーションキャプチャによって膝関節の可動範囲、角速度を測定することで終盤に負荷が大きくなった際、フォームが乱れ運動効率が下がった事なども測定できます。
測 定 内 容 | 費 用 | 予 約 | |
漸増負荷テスト | どてるしWEB参照 | 要 | |
モーションキャプチャ | どてるしWEB参照 | 要 | |
両テスト | どてるしWEB参照 | 要 |
詳しくは、 自転車処どてるしWEB まで
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