京都きってのヒルクライマー 「中尾直人氏」 が CeraLight カーボンスポークに試乗

 

（株）スミスさん @baroquegear からお借りした、軽量カーボンホイールCeraLight 、今度はダウンヒルで感じたことを少々書いてみたいと思います。そもそも、ヒルクライム系の軽量ホイールで、ダウンヒル性能どうこうじゃないだろ？というご意見もあるかもですが、自分的にはどうしても書きたかったので、敢えて別でレビューしてみます。

走ったコースは殆どがいつも走る峠。ヘアピンのような回り込むコーナーが連続する峠もあれぼ、路面がかなり荒れているところも。また、美山ロードの九鬼ケ坂のDHなど、レースで使われるコースも含め色々と走ってみました。

その上で感じたことですが、まずはじめに自分はダウンヒルは得意ではありません。なんならチームで一番下手くそ。だからこそ思うのですが、ダウンヒルの速さってある程度はバイクの性能以前に如何にライダーが安心して、自信を持ってスピードを乗せていけるか、というところに大きく左右される気がします。バイクの性能ギリギリのスピードでレースするプロの皆さんとは違い、「このスピードでコーナー侵入しても大丈夫かな？」という心理的なものが速く下れるかどうかに大きく影響しそうかなと。下手くそな自分なら尚更です。

そしてまさにその点において、CeraLight は今まで使ったホイールの中で一番安心して、自信を持って下れるホイールでした。まず、タイヤの接地感が素晴らしい。恐らく29mmのワイドリムと広い内幅がもたらす低圧セッティングのせいか、コーナーでもタイヤの接地面が広く明らかに安定している感じ。

そしてもう一つ感じのは、特に操舵初期のマイルドさ。ホイール全体のシステム剛性がガチガチに硬すぎないからか、ハンドルを切り込んでいった時の初期の反応がマイルドです。いつものカーボンホイールはハンドルの切り始めから、スパっ！とバイクの頭が巻き飲むように入っていくのですが、CeraLightだとナチュラルにスーッと、優しめに方向が変わっていきます。これは軽量ゆえのジャイロモーメントの小ささと関係あるのかな？初期が過敏だと、とてもクイックでレーシーな感じがするのですが、それが過剰過ぎるとスピードが乗ったコーナーでは恐怖感と緊張感に繋がってしまい、逆にコーナリングが遅くなることも。特にS字コーナーの切り返しなど、左右というように大きく荷重移動をする時などは、このしっとりとした滑らかなハンドリングの方が自信を持って攻めることができました。あくまでイメージですが、レーシーなホイールはコーナーアプローチでバシッと一発で姿勢も侵入角度も決めて、一気に切れ込んでいくのに対して、CeraLight は徐々に切り増しながら、ラインをトレースする感じでコーナーに入っていく、そんな感じでした。

更にもう一つがホイールの減衰性能。とにかく、路面のギャップや凹凸への追従性が高い感じで、ドンっ！と跳ねた後の収まりが非常にスムーズ。恐らくロード乗りの方は誰しもコーナーの途中にある路面の荒れた部分に冷やっとする経験があると思うのです。しかし減衰力が高いおかげで、コーナリング中のバイクのバタつきがそこまで気にならず、しっかりとラインをトレースしてスピードをコントロールすることに集中できました。

もちろん、単純にスピードだけで比較すると、特に40〜50キロ以上の速度域からは(加速しているのですが）スピードの伸びが弱い感じはあります。しかし、絶対的なスピードではなく、自分の意思に追従して、快適に安心してコーナリングできる、扱いやすさとバランスの良さを求めるなら、CeraLight はとても良いホイールだと思いました。

ヒルクライムを全力で登った後だからこそ、リラックスして爽快なダウンヒルを楽しみたい。正にヒルクライムを存分に楽しめるホイールだからからこその、納得のダウンヒル性能でした。

 

 

 

セラライトCarbonSpoke　スペック一覧　

■リムタイプ：クリンチャー と　チューレスレディ対応 　
■リムの素材：東レ　トレカ　高弾性カーボン
■ブレーキ：ディスクブレーキ専用
■リム幅      29mm (内幅22mm)
      28mm (内幅21mm)
                   26mm (内幅19mm)
■リムハイト　標準仕様 30mm ～ 6 0mm 　

■スポークパターン：前後１：１
■スポークの本数：前後24本

■スポークの種類：カーボンスポーク
■ニップルの種類：サピム　アルミ
■ハブの種類　：　ﾌﾛﾝﾄ　100x12mm　　
　　　　　　　　　リア　142x12mm　　
■アフターフォロー　　日本国内において対応
■重量：フロント：553グラム、リア：648グラム　リムハイト30mm仕様の重量

※1　重量には、若干の個体差があります。　※2　商品の仕様は、予告なく変更される場合があります。 ※３　片輪あたり ±15g 程 重量に個体差が出る場合があります。※4 カットモデルの図示は、技術漏洩を防止するため実際の商品とは異なる個所があります。

 

SMITH CeraLight 製品案内