「 適 油 選 定 」
チェーンオイルは、粘度が高いほど摩擦抵抗が減る! ストライベック曲線を正しく理解して選べる Oiln+ オイるん気温によって粘度を使い別ける「 Oiln+ オイるん 」
チェーンオイルの粘度は、 気温によって変化します。 チェーンの潤滑状態は、ストライベック曲線における境界潤滑の領域であって金属同士が直接触れて乾燥摩擦することを避けるには、適切な粘度を選んで油膜の厚さを保つ必要があります。油膜の厚さは、オイルの粘度に比例します。 この様な環境要因の変化に対応すべく粘度別に選定できるチェーンオイルが[Oiln+ オイるん] です。
「ストライベック曲線を正しく理解する」
1.Y軸は摩擦係数を表しています。 ヒルクライム時に皆さんが減らしたいのは、チェーン、またはチェーンとギヤの間で発生する摩擦抵抗です。 摩擦力= 作用する力 × 摩擦係数 なのでストライベック曲線のY軸の値が小さいほど摩擦抵抗を減らせます。 2.X軸の値=粘度×速度÷圧力 です。 ストライベック曲線を理解するためのキモがココです。 そもそもストライベック曲線は、3つの領域に別れています。 左側が境界潤滑の領域 真ん中が混合潤滑の領域 右側が流体潤滑の領域です。 3.油膜を切らさないで下さい。 チェーンは金属同士が接触すると極端に摩擦係数が増大します。 直接接触を防ぐ方法は、油膜を厚くすることです。 そのため粘度を確保する必要があるのです。 4.黄色い丸を右側にズラす作戦です。 X軸の計算式のうち 速度が一定 圧力も一定 だと仮定します。 そこへチェーンオイルの粘度だけを変化させた場合 粘度を上げれば計算結果の値が大きくなり黄色い丸印が右へと移動することが理解できると思います。 すると混合潤滑の領域にさしかかり一気に摩擦係数が小さくなります。 5.気温によって粘度をかえて下さい。 日本の四季の気温の変化 -5℃~+35℃ 程度の幅であっても基油の粘性は大きく変化します。 潤滑箇所に基油が居つづけるために「夏は粘度を高く」するなどの調節を行って下さい。 また逆に氷点下など極寒の環境では、チェーンのコマの動きが鈍くならない様、粘度を下げて下さい。 下記あくまでも粘度使い別けの一例 Oiln+ 40 cSt 気温-5℃から10℃まで Oiln+ 87 cSt 気温15℃以上 Oiln+ 195 cSt 気温20℃以上 Oiln+ 419 cSt 気温25℃以上 Oiln+ 603 cSt 気温30℃以上
【 チェーンの表面粗さ と 油の粘度 の関係 】
チェーンを新品に交換してペダルを踏みこむと「スルスル」とした感触が得られたはずです。
リンク内部の摩擦している箇所の表面粗さによってチェーンオイルの必要とされる粘度が異なるというテーマについて解説します。
上図は、チェーンの摩擦箇所の表面粗さの模式図です。 新品のチェーンでは凸凹の山は低く、使い古して摩耗したチェーンでは凸凹が大きくなっています。 チェーンのリンクが摺動する際には、この凸凹の山の部分が互いに擦れあって摩擦します。
しかし注油して油膜が間に形成されれば、金属どうしが直接接触せずたまに凸凹の頂点が高いところだけがぶつかれば済む状態になります。
潤滑油が形成する油膜は、粘度が高ければ厚くなります。
1.表面が荒れていれば高粘度の油が必要
➡ 凸凹が大きければ厚い油膜が必要だから
2.表面がピカピカであれば低粘度の油で足りる。
➡ 凸凹が小さければ薄い油膜でもあたらない
【 真空注油 】
より粘度の高いオイるんをチェーンローラーの内部まで浸透させるには、動画のような「真空注油」が効果的です。
オイるん 609 にチェーンをディツピングして容器内を減圧するとローラー内部の空気が脱気できます。
度重なるハリケーンの襲来によってペンシルベニア産の高い粘度の鉱物油の入手が困難な状態が続いています。
粘度の高い「オイるん」ほど高価になっています。
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